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飲泉とは

 温泉水を飲むことを飲泉といいます。 日本で温泉に行くというと入浴が中心ですが、欧州では飲泉が温泉療法の主流なのです。

飲泉のルール

 飲泉にはルールがあります。 身体にいいからと闇雲に飲むのは逆効果になりかねません。 また、衛生面からの注意も必要で、湧き出している源泉、および源泉直結の新鮮な温泉以外は飲まないことです。

 近年温泉といっても温泉水を循環させている湯船が多いため、慎重さが必要とされています。 もちろん都道府県の保健所の飲用許可を得ていることが前提条件となります。

飲泉の知識と注意点

  • 飲泉は食前30分から1時間の空腹時に飲むのが一般的
  • 食後の飲泉が望ましいのは、胃の粘膜を荒らす恐れのある放射能泉、鉄泉、ヨウ素を含む温泉
  • 1回の量は、100~200mlで、30分位かけて少しずつゆっくりと飲む
  • 1日に3回、総量で200~1000ml程度が適量とされる
  • 胃酸が多く、胸やけなどがある人は温かい温泉水、逆に胃酸が少ない場合には冷たい湯を飲む
  • 強酸性泉は歯を溶かすため、ストローを使うなどの工夫をして、飲泉後は直ちに口をすすぐ
  • 鉄泉を飲んだ後は、お茶やコーヒーは避ける。お茶やコーヒーのタンニンが鉄と結びついて胃に障害を与えたり、歯を黒く染めるため

飲泉の飲用効果と適応症

二酸化炭素泉(炭酸泉)

  • 飲泉の飲用効果
    • 胃粘膜の血流量、胃酸、胃液の分泌を増加させる。 胃の運動の活発化
  • 適応症
    • 慢性消化器系疾患、慢性便秘

重曹泉(ナトリウム炭酸水素泉)

  • 飲泉の飲用効果
    • 胃液の酸性度を中和、空腹時は胃液の分泌を抑制、満腹時は促進。 血中の尿酸値を下げる。 糖代謝改善
  • 適応症
    • 慢性消化器系疾患、痛風、肝臓病、糖尿病。*塩分の取りすぎに注意!

食塩泉(塩化物泉)

  • 飲泉の飲用効果
    • 胃液の分泌を促す。 低濃度では胃の運動を高め、胃内容物の排出促進。 高濃度では胃の運動を抑制したり、胆汁分泌
      を促す
  • 適応症
    • 慢性消化器系疾患、慢性便秘。 *塩分の取りすぎに注意!

硫酸塩泉(芒硝、正苦味、石膏泉)

  • 飲泉の飲用効果
    • 腸内容物の希釈、腸内の洗浄、腸のぜん導運動を高め排便を促進。 高濃度では下痢、胆汁の分泌を促す。 芒硝泉は尿酸を排泄
  • 適応症
    • 慢性胃炎、便秘、胆のう・すい臓機能低下、慢性肝炎、脂肪肝。*進行性肝硬変や慢性でも活動中の肝炎は禁忌。芒硝泉は塩分の取りすぎに注意!

鉄・緑ばん泉

  • 飲泉の飲用効果
    • 鉄分の補給
  • 適応症
    • 鉄欠乏性貧血

硫黄泉

  • 飲泉の飲用効果
    • 解毒作用、尿酸排泄、糖代謝改善、排泄促進
  • 適応症
    • 金属中毒、薬物中毒、痛風、糖尿病、便秘

酸性泉

  • 適応症
    • 胃の低酸・無酸症

放射能泉

  • 飲泉の飲用効果
    • 利尿作用、尿酸排泄、糖代謝改善
  • 適応症
    • 痛風、糖尿病、慢性胆のう炎、胆石、神経痛

単純温泉

  • 飲泉の飲用効果
    • 含有成分によって多様
  • 適応症
    • 含有成分によって多様

 泉質に関係なく、湯治しながら飲泉していると胃腸の調子が良くなってきます。 飲泉によって胃粘膜の血流量が増えて胃の運動機能が高まり、消化器系の正常化作用が働くためと言われています。 この正常化作用が維持されるのに必要な期間は1週間とされ、昔ながらの湯治でいう1巡りと合致しているのです。


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